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お知らせ
【コラム番外編】MIRAIの学校 春のオープンキャンパス 講義内容②
引き続き『MIRAIの学校 2024春のオープンキャンパス』の講義でお伝えさせていただいた内容、
『パチンコ店ポスター顧客視点とかけ離れている説』
―そのポスターは誰のもの?広告宣伝が見直されている今こそ、既成概念に囚われずに見直してみませんか?-
の続きをコラム用に加筆修正したものの②となります。
1⃣新台入替ポスターの顧客視点に関する考察
・導入日のとらえ方~中級以上のユーザーとライト層の違い
・筐体素材をデザインに盛り込む意味はあるのか?
上記二点で考えてまいります。
◇導入日のとらえ方~中級以上のユーザーとライト層の違い
業界の広告宣伝において
『平成24年7月20日 警察庁 ぱちんこ営業における広告、宣伝等の適正化の徹底について(通知)』
から始まる冬の10年がございました。シゴロだサメ・エビ・アンコウだ、7のつく日は北斗の日だ、なんてやっていたら、
それも!それ以外も!全部ダメ!
みたいになってしまったんですね。
そんな中でお客様の期待感の創出の大きな割合を担っていたのが新台入替ポスターでした。あの手この手で告知の内容を工夫し遠回しながらもお客様へのメッセージを腐心して発信していました。
結果として新台入替ポスターへの依存度が高くなり、果たしてどういう事態が起こったか。
新台入替ポスターを置きっぱなし、お店によっては2週間掲出されっぱなしの店舗が現れました。毎週なんらかの入替が出来る地域もあれば2週に一回のみの地域もあり、後者の地域で見られる傾向で
『なにも訴求することがないからそのまま貼っておこう』
と店頭に置きっぱなし、ということが少なからずありました。
ただここが顧客目線との乖離が生まれるポイントだったのです。
パチンコ店の広告に慣れている中級者以上のお客様だと、
『これが新しめの台ね、ふーん』
くらいにしか思わないのですが、先日のパネルディスカッションに参加した若年ライト層の印象はまるで違いました。
『導入日を過ぎたポスターを見ると賞味期限の切れた食べ物のようなネガティブなイメージを抱いてしまう』
とのことだったのです。
パチンコ業界「慣れ」してしまっている私たちは日付を、
『新しさの基準』
として考えていましたが彼らは導入日を過ぎたポスターをみると
『賞味期限切れ感』
を感じてしまっていたのです。
では情報の新鮮さを保つためにはどうしたらいいか。
というわけで、掲載許可を頂きました宮城県のSSZAP多賀城店様のポスターです。
こちらの様に導入日が過ぎた場合、
このように日付を取り、そして〇月新台と替わりに当てはめることで日付による期限切れ感を無くし、新しい台であるということを全方位のユーザーに伝えることが出来ます。
日付を無くすだけで新鮮さを保てるのであればやらない手はございません。印刷代やデザイン代を考えるより、数十万円で購入した機械台をどう長く使うか、を考えると、決して高いものではないんじゃないでしょうか。
そして新台入替ポスターに関してもう1点。
筐体素材を入れる法人様、相当数いらっしゃいます。
筐体を入替デザインにいれる意味、本当にありますか?
ちょっとわざと雑に言いましたが、そういうデザインにするならばちゃんとした運用されていますか?
職業柄、やはりポスターなどパチンコ店内に入ると広告物のデザインはかなりチェックし、自分なりに評価します。
数か月前、MIRAI加盟の法人様のとある店舗にプライベートで伺いました。
当然といいますか、まず新台入替ポスターが店舗の入り口に設置されていました。
デザイン的には定石の、日付・新台入替・機種素材・筐体などが入っているまさにこちらのようなオーソドックスなデザインです。
ただ店内には島図、機種訴求ポスター、設置個所案内ポスター、いずれのポスターもございませんでした。
あるのは週間スケジュールポスターと3日前のリニューアルオープン告知ばかり。よく妻板に設置機種が明記されているお店もございますがその様なツールもございません。
大げさではなく私は中規模店の店内を3周ほどしていわば自力で当該新台機種に辿り着くことができました。
これでも四半世紀、パチンコ業界を渡り歩いてきました。その私が探すのに一苦労だったわけです。
更に問題がもう一つ、当該店は路面に入り口があるのですが、
お店自体は当該ビルの別のフロアなんです。
つまり私が伺ったお店は、店外でポスターを見て、もしもその新台を打ちたくなったならば、
機種名・筐体ビジュアルを店頭で確認・暗記し、ビル内の別のフロアに移動して外で記憶した機種名と筐体ビジュアルを頼りに探し当てなければなりません。
新規のお客様、初心者、ライトユーザーだとしたら…
難易度、かなり高めだとおもいませんか?
こちらの解決策、もうすでに頭の中に浮かんでる方も多いかと思いますが
■見やすい島図の設置
フロアに入ってすぐのスペース、フロアに入る前じゃないですよ?
たまに風除室に置いてあったりするのですが、そこでは基本お客様は止まりません。完全にフロアに入った後に確認するものとお考えください。
また、休憩スペースなどお客様が滞留しやすいところに
他の掲示物とのバランスも考え配置
■筐体デザインの整合性
外の新台入替ポスターに筐体を入れるのであれば店内の当該新台機種訴求ポスターにも筐体を入れて整合性を取る
→島図の近くに置くのが分かりやすく効果的です。この台はこういう筐体で店内のココにあるんだ、という情報をしっかり伝える事ができます。
■島外からの誘導を意識する。
ここに新台/人気台/推し台がある!ということを分かりやすく案内する掲示物を設置してください。
すごく丁寧に整合性をとるならば島内誘導のポスターにも筐体画像を入れましょう。
上記2点目、3点目をすることで、他の情報ではなく筐体画像をポスターに入れる意味が出てきます。
筐体画像を入れる意味とは…
発見性を高める以外にないんですね。
新台入替ポスターを店頭に置いて終了じゃあまりにもお客様に不親切です。
意味のある内容とは何か、考えていきませんか?
新台入替ポスターから話はそれるのですが、当該店にはフロア内に島間が広く開いたちょっとしたスペースございまして、ポスターが数点設置されていたのですが、どれも
日付が3日前のリニューアルポスターだったんですね。
対照的にフロアの出入り口には店内唯一の、〖翌日の〗旧特定日示唆と思われるポスターが設置されていました。
ちなみに私の臨店は18時頃です。
旧特定日と思われるポスターに関して枚数が1枚ですと、どうにもこうにも熱感が伝わりづらいです。
特にライト層には量感をもって伝えるのが効果的です。
明日の集客を考えると、明日の旧特定日告知ポスターと日付が過ぎたリニューアルポスターとの枚数バランス、
最適解が他にありそうですよね?
あくまでも個人的な店内調査レベルで
お付き合いがある法人様ではなかったので私が あれこれ お伝えする立場になく、ただただ残念な気持ちになりました。
前段でお話した新規顧客、ライトユーザーの目線に即して考えると…そりゃもう恐ろしいです。
もしも、近隣店にそういったライト層へのお迎え体制が整っているお店があったら、根こそぎ初心者層を取られてしまいます。
何処に、どんな機種が置いてあるか分からない、
期限切れのポスターが多数設置してあるお店に、
果たして行きたいと思うのでしょうか?
もしかしたら今あげた例は極端な例かもしれません。
たまたま不注意が重なった結果、私の小姑のような視線に諸々引っかかったのかもしれません。
ただ脚色なく虚飾なく、私が見た、MIRAI加盟店の一パチンコ店で起こっていた事なんです。
もしかすると今現在ご覧頂いている皆様の店舗での出来事かもしれません。
誰かに物事を任せていたら思いがけない方向に進んでしまっているってこと、よくある話、ですよね?
このご機会に店舗でも上席の役職の方々はご自分の目で再確認されてみてはいかがでしょうか。
また店内掲示物を任されている社員の方はライト層の目線を強く意識してみてください。